Training for D-Day

ブログの内容は個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

大切なのはスキルではなく、態度である。

激烈な会話を読み進めています。

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

素晴らしい理念というものは、社員と経営者、顧客との間で交わされる激烈な会話から生まれる。
この理念は、次の4つの問いに答えるものである。

1.なぜわれわれはここにいるのか?

この問いは、アジャイル開発における、チームビルディングの一貫である、インセプションデッキにも登場する。

github.com

この問いへの答えは、会社が製造している製品や提供しているサービスを明確にする以上のものでなければならない。

2. 理想的な人間関係とは?

組織の人たちがどんなかたちでかかわり合うのがベストなのか?
信頼と尊敬、といった抽象的な言葉ではなく、たとえば
「計画と実際の行動を一致させたい。恐れずに反対意見を唱える。ひとりひとりが最終的な製品とつながりを持つ。失敗する自由をもつ。試さないことだけがとがめとなる」といったような。

3. 顧客とどんな関係にあるのが理想的か?

われわれは顧客のパートナーとして行動する。一緒にビジネスをするにはどうしたらいいかを顧客から教えてもらうように努力する。
顧客はわれわれに理解されたと感じている。われわれの行動が顧客に与える影響を理解する。

4.世界的なコミュニティにどう貢献をしたいか?

顧客のみならず、もっと大きなコミュニティにどんな影響を与えたいか。

まっとうな理念を描いても、それを実践するのは、社員であり、人である。

核心をつく「問い」


サウスウェスト航空の社員は、マニュアルなしでは動けないと悪口をいわれることがほとんどない。

破天荒!

破天荒!

どうしたら一介の航空会社がこれほど素晴らしい態度を社員から引き出せるのだろう。
社員になにが期待されているかを明確に伝えているからだ。

ポルシェの元社長であったピーター・シュッツ Peter Schutz - Wikipedia


「いい態度を雇え、スキルは訓練できる」
と言った。

ここでの適切な問いは、
「我が社を成功に導くのはどんな態度か?」
「今いる社員はどの程度その態度を示しているか?」
だ。

この時代、重要なのは
学習するスキル、向上心だ。飽くなき探究である。
そして、技術面だけでなく、マインドでもそれが重要である。
且つ、それをチームや組織に伝搬させられることである。

これは人格者なんだろうか。いやそうではない。
いたって普通のことだ。成長したいと望むのは、人間の性である。
その部分を飼いならされていないことが重要になる。
そしていくつになっても自らで自らの限界をきめないことが重要になる。

この問いをさらっと言えるぐらいになりたいぁ。

課題:会話の中で「でも」を使わない

激烈な会話の中で面白いエクササイズがある。

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

これから24時間、会話の中で「でも」を使わない

「でも」と使いたくなったら「同時に」に置き換えてみる。
この課題ができるようになれば、仕事も家庭もうまくいく。まわりの人があなたに心を開くようになるはずだ。

あなたが見ている現実も、他人が見ている現実と同じくらい重要だ。絶対的な現実というのはあり得ない。人の現実認識も絶対ではない。
同じテーマのあらゆる側面を慎重に考慮したときに全体像がはっきりと見えてくるものだ。

僕達の関係は今こうなっているように、僕には思える。
君の本当の考えを教えてくれないかな。とくに僕が思っているのとはちがうことがあれば言って欲しい。
僕達の関係がうまくいくかどうか、正直でいられるかどうか、今の気持ちを相手に伝えられるかどうかにかかっていると思う。

相手を責めずに現実を述べる練習をしながら、このエクササイズを頭の片隅におき、会話の調子がどう変化していくか気をつけてみよう。

会話をしていると、
「でも」「だけど」「しかし」を連発する人、いますよね。
自分で知らず知らず、自分の価値を下げてしまっているようですね。
自分の見ている真実は、相手にとっての真実ではない。
逆もまた同じ。
事実も、実は、見る人によって異なる。
その現場にいたからといって全てを把握できるわけではない。

謙虚に、正直に、真摯に、問いかけ、声に耳を傾けよう。
リスペクトという単語がある。"respect"。
私はサーフィンを通じてこの言葉と出会った。
よくハワイでは使われている。
海を、波を、自然をリスペクトしよう。
これは尊敬するという意味も含まれるが、本来の意味は、
相手に敬意を持って接するという意味だ。
自然をリスペクトする。
相手をリスペクトする。

全てをリスペクトし(自分自身の内なる声も含めて)、耳を傾けよう。

ザッポス伝説

会社に強い結びつきを感じる社員は、より生産性が高いという傾向がある。
社員の会社との結びつきを示す代表的指標は、その社員が社内にどれだけ友人がいるか、社内に親友と呼べる人がいるかどうか。

ザッポス伝説の日本語版への序文に書かれています。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか


生産性30%アップと謳うなら、社内に30%友達アップを謳ったほうがいい。

激烈な会話

ティールにハマっていますが、ティールを実現させるには、個々人の会話が非常に意味のあるものになる必要があります。真剣な会話が必要です。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

真剣な会話。これはどうゆうことかというと、自己を解放することです。
正直になる必要があります。
正直になることは、恐れを伴います。
※私自身は批判されるのが怖いので、臆病に、良い人になってしまう傾向があります。スクラムマスターとしては失格です。組織のためにエゴを無くしましょう。自分は嫌われてもいい。それは組織のためになるから、という観点が必要です。これは常に意識することで改善できるとは思います。自分自身を克服するのです。
・自分が相手に知られてしまうこと。
・自分が相手に見られてしまうこと。
・自分が変わってしまうこと。

この恐れ、自己を解放することを恐れないこと、それが大切です。ティール組織ではこの心理的安全性が大切になります。
本来恐れるべきは、真剣ではない会話のほうです。

どのようにして真剣な会話を進めていくべきか。
「激烈な会話」にヒントがあります。

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

激烈な会話―逃げずに話せば事態はよくなる!

現在絶版のようです。幸い、一冊持っておりますので、 激烈な会話とポイントをつらつらとアップしてくことにします。

なぜ”進化型”(ティール)と呼ぶのか。

やっぱりティールにハマっています。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現


原著は2タイプあって、イラストが多くはいっているものもあります。

[問い]
なぜ”進化型”(ティール)と呼ぶのか。

[応答]

・人間は今も進化している。
・人間の進化の次の段階は、マズローの「自己実現の欲求」に相当し、「本物の(オーセンティック)」、「統合的(インテグラル)」あるいは、「進化型(ティール)」などと呼ばれている。
マズローは晩年、自己実現の欲求の先、第6段階として、「自己超越」があると発表している。)
・グリーン(多元型)から進化型(ティール)への移行が人の進化において極めて重要。
・ティール以降のステージは第2段階として、これまでとは区別される。
・人間の意識は「進化」する。そして世界に対処するための複雑で洗練された方法に向かおうとする気運が高まっていることを認識するようになる。
・以上より、この組織段階を進化型(ティール)と名付けた。


・意識が進化すると、世界をより広い視点から眺められるようになる。
・それまで自分が埋没していた環境から自己を切り離す必要がある。
・失敗を恐れとは捉えない。
・すべては人生を豊かにする糧と捉える。
・恐れと欠乏感にまみれた人生か、信頼と潤沢に満ちた人生か、その2者択一ではない。
・ティールの視点を持つと、この大きな隔たりの間を横断し、人々やモノゴトを支配したいという欲求を制御できるようになる。
・ティールでは意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。
・自分の内面に照らして正しいかどうか、つまり、「この判断は正しそうか?」「私は自分に正直になっているか?」「自分がなりたいと思っている理想の人物は同じように考えるだろうか?」「私はこの世界の役に立っているだろうか?」を重視する。
・これにより、より判断が「速く」なる。
・エゴを失う恐れが少ないのっで、一見危険に思える意思決定ができる。どんな結果になるかを全て考慮しなくても、内面の奥底にある確認し沿っているからだ。
・誠実さや自分らしさという感覚を出発点に、本当は正しいとは思えない状況、自分が声を上げ、行動を起こさなければならな状況に対する感覚を養う。
・ティールでは他人から認められること、成功、富、帰属意識は快楽的な体験であり、エゴを充足させる甘酸っぱい「罠」ととらえる。
・良い人生を送るためには、他人からの評価や成功、富、帰属意識を求めず、充実した人生を送るように努める。


なんかガンダムニュータイプみたいな感じ。ガンダムティールとか出ないかな。
ニュータイプと違うのは、もっとチームっぽさが前面にでている。人はわかりあえるけど、テレパシーじゃない。会話だ。より多く、誠実で、正直な会話が必要。
それを、よりやりやすくするのがティール。

ティール組織におけるCEOの役割は何か?

ティールにハマりました。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

学習のついでに、ティールへの問いを小出しにブログにアップすることにします。

[問い]
ティール組織におけるCEOの役割は何か?

[応答]
・そもそもCEOという言葉は、ティール組織では適切ではないが、他に適切な言葉が思いつかないため、CEOと呼ぶことにする。
・ティールの原則と組織慣行で運営されている組織では、CEOの役割が従来組織とは劇的に異なっている。
・ティールのCEOは、ティールの組織空間をつくり、維持する。仕事はそれほど多くない。
・外部に対する組織の代表である。(もちろん、違う場合もある)
・目標数値の設定、予算の承認、経営を推進する経営幹部チーム、策定すべきトップダウン戦略、解決すべき対立、決定すべき昇進など、従来組織のCEOの役割は、ティール組織のCEOにはない。すべてチームの役割である。
・ティール組織のCEOが果たすべき、極めて2つの役割。
1.ティールの運営を行うこと。
2.ティールの行動の模範を示すための空間をつくって、維持すること。
それ以外の点では、ティール組織のCEOは、ティール組織の社員と何ら変わることはない。
必要なものは何かを感じ取り、プロジェクトに関わり、助言プロセスを用いて判断を下す。


・ティールの空間をホールドすること。
・どのようなときでも、信頼が何よりも優先し、従来の組織慣行が背後から忍び寄ることのないように、繰り返し努力する必要がある。
多くの人々は、人を統制する仕組みがあれば安全だという、社会に深く根ざした前提の中で育ってきている。
何か問題、スキャンダルが起きるたびに、もっと規制を働かせようという力が働く。信頼はそのような文化と相容れない。
ティール組織では、何か問題がおきるたびに、信頼が守られ、再確認される必要がある。

・組織に活力と創造性をもたらす信頼の水準を下げることは非常に簡単である。ティール組織のCEOは信頼のレベルを下げることを拒否する。

Joy, IncのMenloのRichさんのお話 Menlo BabysとMenloの採用プロセス

Joy inc著者のRichが来日し、話が聞けるということで、行ってきました。

peatix.com

RichがどうしてMenloを立ち上げたか、
立ち上げてから15年ほどの経緯、
現在
を語ってくれました。
ペア作業をしている、デイリーミーティングを全員(60-70名で13分以内)で行うなどは書籍Joy, Incにも書かれていますので、
書かれていなかった(…と思う)ところで琴線に触れた部分を列挙します。

ちなみにRGST2018でも貴重講演を行ってくれましたが、内容はほぼ一緒でした。

confengine.com

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

Joy, Inc.: How We Built a Workplace People Love

Joy, Inc.: How We Built a Workplace People Love

Menlo Babys

何年か前に、チームメンバーが3ヶ月の育休から復帰するという話があった。
そのメンバーが、「復帰したいのだが、保育園が見つからない、祖父母も遠くにいるから預けられない、どうしたらいいか」という話をRichにした。
(会社には人事もいるが、メンバーがこの相談をRichに直接するのが、Richの人柄を表していると思う)
Richの頭の中で、天使と悪魔が囁いた。
悪魔は、「人事に絶対怒られるぞ、これを言っちゃいけない」
天使は、「言っちゃえ、言っちゃえ、お前の会社だろ」

結局天使が勝った。Richは言った。
Rich:「連れてきちゃいなよ」
メンバ:「え?本当?今日いいの?」「毎日いいの?」「うるさいよ?赤ちゃんは泣くよ?」
Rich:「だってここはもう既にガヤガヤしててうるさいじゃないか。気にならないよ。僕だって3人の子供を育ててきた。赤ちゃんがどれくらいうるさいかわかってるよ。」

その日からMenloに赤ちゃんが出社することになった。


そこで、起こった面白い偶然。
赤ちゃんが泣くたびに、Menloのメンバーが代わる代わる面倒を見てくれるのだ。
Menlo全員で赤ちゃんを育てていった。

ときに顧客がMenloにきて、スプリント計画を立てる際に怒る(興奮する)ことがある。
でもスプリント計画に赤ちゃんも参加していると、皆自然と優しくなるんだ。興奮する顧客でさえもね。

そして、現在までこの10年間、Menlo Babysは20人。20人の赤ちゃんを育ててきたよ。



これ聞いてて恥ずかしながら涙が出てきた。なんていうんだろう。喜び。思いやり。優しさ。安心。全て詰まってる。そんな会社。あー、いいなー、としみじみ思うわけですよ。

心理的安全性と言う言葉があるけど、その言葉があるからそれをやるんじゃなく、そもそもそうなっているというか。なんだろう。
でも、社会生活をする上でこれって実は本当に大切なことで。でも忘れられてて。でも心の奥底にある人にはあって。
会社とか組織とか社会の波に揉まれて忘れちゃった大切なこと。
それをカタチにして実行するっていうことが素晴らしいなぁ。これが本当の優しさなのか。喜びか。


Menloの採用プロセス

ほぼ全ての作業をペアで行うことを前提としているMenloは、採用プロセスもユニークです。
1次試験:
30-50人ほどの採用希望者をまとめて試験をします。
全員を午後4時に集めます。
各希望者をペアにします。各ペアには試験管が1人つき、様子を観察します。
各ペアには、紙と一本の鉛筆が与えられます。
課題を出すので、20分間ペアで考えて答えを出します。
大切なのは、各ペアは、「相手を採用面接で合格させるにはどうすればいいか」、を常に考えて振る舞います。
20分を3回、ペアを入れ替えてやります。
3回終了後、試験官がOKと言った方のみ、2次試験へ進む権利が得られます。

2次試験:
2次試験では、一日Menloのメンバとして働いてもらいます。実際に一緒に仕事をするので、お給料がでます。
Menloのメンバとペア作業を、午前と午後でそれぞれ違う人とやります。
二次試験終了後、Menloメンバ2名と、採用希望者1名で、Good(いいね)、Bad(悪いね)、どっちかな~を投票します。(最大3票)
どっちかな~のときは試験官同士相談してもらいます
3票いいねが集まったら3次試験へ進めます。

3次試験:
3次試験は、Menloのメンバとして3ヶ月(3週間だったかな)働いてもらいます。お給料がでます。
3ヶ月たって、採用希望者には、このまま続けるかどうかの判断をしてもらいます。
続けたいなら採用、続けたくないならそこまで、という感じです。


この採用プロセスは非効率ではないか、大変ではないか、との意見がありましたが、そんなことはなく、大変なのは1次面接の試験官をやってもらうときぐらいで、あとは実際のプロダクトを作りながらのペア作業だから 全く非効率ではないよ、とのことでした。
この採用プロセスにおいても、「ペア作業」のメリットが最大限生かされているわけです。


技術力云々ではなく、コミュニケーション能力、とくにサーバント・リーダーシップが発揮できるかが問われるすごい採用試験だな、と思いました。
「ペアの相手を合格させるにはどうするか」を考える必要があるからです。
利己主義な人には出来ないでしょう。そして、隠そうとしても、限られた時間では人間の本質というものが出てしまうもの。
常日頃からサーバントな人でないと、合格できないように思います。