10分でわかるホラクラシー
ホラクラシー概要
ホラクラシーとは、ティール組織を実現するための組織運営手段の一つ。サークルを作り、サークル内に役割を作る。ロール(=役割)に人を割り当て、その人はロールを全うする。サークル内では、戦術的(オペレーション)ミーティングを定期/不定期で開催し、サークル内の進捗が滞ってないか、課題がないかを確認する。サークルや役割を作るためにガバナンスミーティングを定期/不定期で開催する。戦術的ミーティング・ガバナンスミーティングいずれにおいても、参加者は発言する際に、テンションを上げなければならない。テンションとは単純に発言する前の決まりごとで、発言前に「テンション」と言って手を上げ、発言を開始する。
上記太字である、5つの基本を抑えれば、ホラクラシーは理解したも同然である。ただ、理論は簡単だが実践は困難である。なぜなら組織を変えていく必要があり、多くの人を巻き込んでいく必要があるからである。
サークルとは
サークルには、スーパーサークルとサブサークルがある。
スーパーサークルはホラクラシーを適用している組織内で一つだけ存在する。スーパーサークル内に、サブサークルが0以上存在する。サブサークルの中にさらサブサークルがあってもよい。サークルは、チームに近い。
サブサークルの作成・消滅・更新は、ガバナンスミーティングにて、テンションが上げられ、議論される。
サークルの目的は、サークル内に必ず1つ必要なリードリンクという役割の目的と一致する。つまり、サークルを作る際にはリードリンクは必ず必要になる。目的のないサークルは存在しない。
ロール(=役割)とは
ロールは、果たすべき役割のことで、コア・ロールと定義されたロールに分けられる。
コア・ロールはホラクラシーで定められたもので、以下の4つが存在する。
- リードリンク
- レプリンク
- ファシリテータ
- セクレタリー
定義されたロール(= Defined Role )は、ガバナンスミーティングにて、参加者からテンションが上げられ、議論、作成・更新・削除されるものである。例えば、「職場のコピー機のメンテナンス役」だったり、「単に開発者」だったりする。
役割は、スーパーサークルまたはサブサークルに必ず属する。
役割に、人が割り当てられる。人は複数の役割を担っても良い。
役割を定義する際には、以下の項目を明確にする。
- 目的
- 領域
- アカウンタビリティ(責任)
戦術的(オペレーション)ミーティング
チームをシンクロし、次のアクションを決める。通常、戦術的ミーティングは、サブサークル毎に行われる。ミーティングは、定期/不定期開催できる。ミーティングのプロセスは以下の通り。
- チェックイン(この場に集中する)
- チェックリストの確認
- 評価基準の確認
- 進捗状況の共有
- トリアージ(各案件について次に取るべき行動を見極める)
- チェックアウト(この場で学んだことを確認する)
ガバナンスミーティング
ガバナンスミーティングは、スーパーサークル内の役割と直属のサブサークルのレプリンクが集まり開催される。サークルや役割の定義・更新・削除を行うミーティングである。定期/不定期開催できるが、最低でも1ヶ月に1回は開催したい。ただ、期間が長くなればなるほど議題が多くなるので、なるべく短いサイクルのほうが望ましい。
テンション
戦術的ミーティングやガバナンスミーティングにて、発言をする際には、参加者はテンションを上げて発言する。テンションを上げるって、なんかいいよね。
構造の面での理解を深めたい場合は、以下のツールを利用すると面白い。
現在のHolacracyOneという会社のホラクラシー運営が透明化されている。
ホラクラシーの本を読むといろいろ脱線もあって難しいのだが、基本は上記にあげたものが理解できていれば「とりあえずやってみる」ことはできると思う。失敗はつきものだが、失敗から何を学ぶか、そして次にどうするかを決めるのが大切である。
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