Training for D-Day

ブログの内容は個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

MBWA(Management By Walking Around)歩きまわることによるマネジメントとウロウロスクラムマスター

MBWA(Management By Walking Around)とは、歩きまわるマネジメント、簡単に言うと、「マネージャーが現場をウロウロする」ということです。
これは非常に理にかなっています。
なぜなら、現場のことは現場が一番知っているからです。席に座って報告を待っているだけのマネージャーはダメで、自ら情報を取りに行く(pull)必要があります。
MBWAはそのことを端的にあらわしていると思います。
優れた成果を出すためには、最高のチームが必要です。最高のチームは、人間関係が良好で最高のコミュニケーションが取れます。
それには対話を通じたマネジメントが必要です。文書(電子メールも含む)より、対話をより重視しないといけません。
現場を歩きまわり、メンバーと対話をし、状況を確認するのです。メンバーとの関係が非常に蜜になります。メンバーはマネージャーが気にかけてくれていると安心します。
報告の場などを設けるのは時間の無駄です。報告のための資料を作る必要があります。資料をつくる役割を作る必要があります。 報告の時間が必要になります。報告後の指摘に対してさらに資料を作る必要があります。これこそ負のループです。
何の利益も生み出さない、身の保身でしかないのです。
私はうまくやっていました。メンバーを管理(コントロール)していました。」これでは何の意味もないのです。
賢明なマネージャーはそのことを熟知しています。
日本では階層構造の組織が多いと思います。社長-部長-課長-係長・・・。この場合、CEO配下すべてのマネージャーが同一の意識を持たないとダメです。
例えば部長が報告を求めるなら、課長は報告をせざる得ず、その配下はすべて報告を求められることになります。うまくクッション出来るなら良いのですが。



MBWAスタイルのマネージャーは優れた米国企業では普通のことのようです。
マイクロソフトのプロジェクトマネージャーだった方の非常に参考になる良書があります。

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

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真のマネジメントとは、「メンバーを解放すること」です。メンバーに自律的に仕事をして頂き、何かあった場合の尻ぬぐいはマネージャーがする、ということです。マネージャーとはそのためにいるのです。

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと


それには「任せる勇気」が必要になります。マイクロマネジメント型のマネージャーは気が気でないかも知れません。
任せる勇気を持つためには、メンバーが自律的に仕事を進められる環境を用意する必要があります。
自律したチームは最強です。たとえ、チームが困難な状況にあっても立ち止まらなくなります。
マネージャーは、ただそんなチームやメンバーを信じて支援するだけです。

サーバント・リーダーシップとも呼ばれます。

サーバントリーダーシップ

サーバントリーダーシップ


これはまさに、スクラムにおけるスクラムマスターの役割です。
プロジェクトマネージャーであっても同じようなことが言えると思います。
良いスクラムマスターは、現場をウロウロします。ノートパソコン等の電子機器は持ってない。ペンと付箋紙を持ってウロウロします。
ウロウロマスターと呼ばれるくらいになると、いいかも知れません。

よくホウレンソウ(報告・連絡・相談)ということを言われますが、報告はいらないんじゃないかなぁと思います。
レンソウでいいんじゃないでしょうか。連絡と相談です。
報告なんかさせないで、欲しい情報は自ら取りに行きましょう。「欲しかった情報以上の何か」が得られると思います。
トヨタのA3であっても、とにかく現場を見に行くとあります。やはり強い企業はそうゆう思考なんですよね。
「お前、あの現場に行ったか?俺はこの前行ってきたぞ」

トヨタ式A3プロセスで仕事改革―A3用紙1枚で人を育て、組織を動かす

トヨタ式A3プロセスで仕事改革―A3用紙1枚で人を育て、組織を動かす



一度、最高のマネージャーの元で働いてみたいなぁ。
仕事がすごい楽しくなるのだと思います。会社に来ることが楽しくなる。

「毎日会社にきて、仕事がしたくてたまらないんです!超楽しい!」

もし、メンバーにそう言われたら、あなたも最高のマネージャーの一人なのかも知れません。