スクラムチームのワーキングアグリーメントとコンセンサス(合意)
ずっと考え続けていた。
そこにいた大勢の研修生は、多数決という方式をとった。
講師の江端(@ebacky)さんが言った。
「あなたたちは設計上の重要な課題を解決する際にも、多数決で決めるのですか?」
確かに、設計上の重要な課題を解決する場合、多数決では決めない。
ただ、研修はそのまま進んでしまった。多くの決定を多数決で決めていた。
認定スクラムマスター研修は、研修自体を生徒たちが作っていく形式だったため、生徒たちが決めたルールで進める。ルール自体に、もやもや感があっても、全員をうまく説得できないと、そのルールを変えられない。
民主主義云々という話もチラホラ聞こえたが、「そんなんじゃない。多数決は変だ。」と個人的にずっと考え続けていた。
(イギリスのEU脱退でホットな話題でもある。)
研修を受けたのは2015/08で、今日は2016/6/29だから、実に1年ぐらいずっと悩んでいたのだが、やっと答えがでた。
答えは身近なところにあった。
スクラムには、プロダクト・オーナーという役割がある。
プロダクト・オーナーは製品に関するあらゆることを決断できる役割だ。
つまり、プロダクト・オーナーを決めればよかったのだ。
プロダクト・オーナーがYESと言えば、YES。プロダクト・オーナーにYESと言わせる説得力を持った題材があればいい。スクラムにおけるチームはその役割だ。
多数決ではダメなのだ。民衆が誤っていると、誤った方向に流れてしまう。これは民主主義のデメリットだ。とくにマスコミ・メディアによって洗脳されてしまうと、大衆は違った方へ進む。
(テレビをつけっぱなしにしている家庭は洗脳されている可能性が高い)
(もちろん、マスコミもメディアも洗脳しようとしている訳ではないが、結果的にそうなっているから質が悪い)
もちろん、プロダクト・オーナーが狂っている場合は、ナチス・ドイツのような悲惨なことになるだろう。
プロダクト・オーナーとチームの健全な関係性は非常に重要だ。
この考えに至るには、
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を読んでp88にある下記のセンテンスから着想した。
コンセンサス(合意)
やるべきこと:
オーナーを認識する
オーナーとは合理的アプローチを提示するもの。合理的アプローチは、
ー関係者全員の考え方と合理的な懸念を反映し、
ー関係者はオーナーの成果獲得への協力に合意する
やってはいけないこと:
・無暗に一致団結を目指す
・多数決、あるいは「私がやろうと思っていたやり方だから賛成する」という態度
考え抜け、ということだと思う。
個人的な、1年がかりの疑問も解消できた。