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Training for D-Day

ブログの内容は個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

組織図とコミュニケーションパスはイコールではない



ひとりで仕事をかかえてしまう(かかえさせてしまう)

チームで作業をする際に、ひとりで仕事を抱えてしまう人は、いくらパフォーマンスが良くても仕事ができる人とは言い難いです。

私も昔はそのようなタイプの人間でした。
社内では誰よりもコードを書ける。「僕が一番ガンダムをうまく扱えるんだ!」という感じでした。

結局、ひと一人のチカラには限界があります。
効率よくチームで成果を出す、チーム全員を導く、そうしないとリーダやマネージャーとしては失格だと思うのです。
※ちなみに本記事では、「リーダ」と「マネージャー」はほぼ同義語として扱っています。あしからず。

ソースコードも会話の手段の一つ

職種にも依存するかもしれません。私はソフトウェア業界の人間です。
いわゆるプレイングマネージャーはダメだと、よく言われてます。
忙しくなりすぎて潰れるというのです。
木を見て森を見ずになるのでしょうか。
本当にそうでしょうか。
私としては、ソフトウェア業界ではプレイングマネージャーのほうが、非常に効率良く事が進むと感じます。
コーディングにどっぷり漬かる必要はありませんが、少なくとも自分の時間の10~50%はコードに近いところでチームと関わるべきだと思います。

なぜでしょう。
理由はコミュニケーションにあります。
あまりうまくいかないマネージャーは、コミュニケーションをほとんど取らないです。
とったとしても、会社や仕事のシステムに則ったコミュニケーションに過ぎません。
逆にうまくいっているマネージャーはどんどん話します。会話・対話の連続です。
部下のことを心底仲間(パートナー)だと思っているし、何に困っているのか把握したいし、解決するために導いてあげたいと思っているからです。
そのためには莫大な時間が必要になりますが、マネージャーとはそのために存在するといっても過言ではありません。
プログラマーというか日本ではSIerにとって、コードはコミュニケーションの一環だと思います。コードで会話をすることは珍しくありません。(正確に言うと、コードが会話の対象になる)
ソフトウェア開発では、コードとコミュニケーションは非常に近いところにあります。

コードは、「コミュニケーションの結晶」だとも思います。

これが私が、プレイングマネージャーのほうが非常に効率よく事が進むと思っている所以です。
成果物であるコードと、そしてメンバーたちとのコミュニケーションが一挙両得になります。両得と言うと利害っぽく聞こえて嫌ですが(笑
定量的には測れないコードの品質も自分自身の目で確認できます。メンバのスキルレベルや得意不得意も把握できます。もちろん自身のレベル維持にも繋がります。

「実行力不全」に以下のような記載がありました。
有名なソフトウェア会社、SASに関する記事です。

知識もあり、仕事もするリーダー

 ソフトウェアのような知的資本のビジネスに、人材の確保が大切なことはだれでも知っている。SASはなぜ1997年の離職率をわずか3%に抑えられたのだろうか?
SASでは、マネージャーがすべて現場にいて、マネジメントのほかに自分の仕事ももっている。創立者の一人でCEOのジェームズ・グッドナイトも例外ではない。いまも時間の大半はプログラミングや、製品開発チームの指導にかけている。
CEOになってもなぜプログラミングや開発にかかわっているのかと聞かれて、彼は「大企業を経営するのはいささか退屈だから」と答えている。実際、グッドナイトの姿は社長室ではなく、研究開発棟で見かけることが多い。
 このやり方はどうゆう効果を生んでいるだろう?まず、現場で仕事をしている人々が、経営のトップを信頼する。同じ問題に取り組んでいるなら、上司は自分たちの問題も理解してくれるはずだ。経営陣も第一線に触れているので、組織の中心であるテクノロジーや作業工程に詳しい。
・・・中略・・・
知識をうまく行動に移しているほかの企業でも、リーダーが現場をよく知っていた。

これはSASだからうまくいくのでしょうか? Googleも同じような感じだと思います。リーダーやマネージャがメンバと同じ位置にいる。同じ問題に取り組む。一緒に解決する。分かち合う。



組織図とコミュニケーションパス

あなたが属するプロジェクトや組織には、組織図がありますか? 一般的なプロジェクト・マネジメントの手法では、「コミュニケーション・プラン」なるものを作成します。この一部として、組織図を始め、「誰と誰がどのような場合に話す」などを割りと細かく決めてしまいます。
一旦そのような図が作られて周知してしまうと、面白いもので、なかなかその枠を超えるコミュニケーションが発生しないものです。これは日本だけでしょうか?

小さい組織や会社では、社長・部長など肩書云々言ってられないし、(おそらくは)地理的にも近いところにいるはずなので、 頻繁にコミュニケーションが発生します。コミュニケーションが発生することによって、価値観を共有し、やるべきことを確認し、お互いの齟齬が無くなりやすくなります。
逆に組織が大きくなると、途端に役職も複雑になり、コミュニケーションが取りづらくなります。

組織図とコミュニケーションパスはイコールではありません。”あってないようなもの”です。
組織図自体は非常に便利なツールだとは思います。ただ、使い方を誤るとよくないです。組織図は、組織を図にしただけです。コミュニケーションに何ら制限を加えるものではありません。


組織図の壁が崩壊されると、非常に活発なコミュニケーションが生まれます。パスがスター型になるからです。
だけども人によってはすごく忙しくなります。メール読み捨て技術がない人は疲れちゃうかも知れません。フォトリーディングできないとダメかも(笑
だが、むしろそのほうがいいのではないかと感じます。中にはうまくないメールのSubjectを送ってくる人もいらっしゃいますが、メールを一瞬にして読み捨てる技術は仕事上不可欠かとも思います。それも技術の一つかと。
そのためのメーラ(Eメールツール)も洗練されていなければなりません。自分自身のタスク管理技術も向上が必要かと思います。
(例えば、未読メールボックスは常に空にするなどの技術や、メールを全くみない時間とメールにのみ集中する時間を分ける技術など)


世界最強の企業の一つ、GEのCEO、ジェフ・イメルトは直属の部下が650人いると聞きます。どうやってコミュニケーションをとっているのでしょうか。メールなど見ていないのでしょうか。秘書が数十人いるのでしょうか。
加えて彼はGEの聖地である、クロトンビルに毎週現れると聞きます。そこで社内の優秀な人材とコミュニケートをとっていると聞きます。一体どのようにコミュニケーションをとっているのでしょうか。

日本ではノミニケーションという言葉があります。飲み会にてコミュニケーションを測るという意味です。
これはこれで結構ではありますが、お酒が入らないと本心を話せない、というのは仕事上非常に問題であると私は感じます。お酒のチカラに頼っていはいけないと思うのです。飲み会がないと、部下の悩みがわからない?悩みを聞く時間がない?それは駄目でしょう。ノミニケーションも本当にコミュニケーションがとれているのか疑問でもあります。 また、日本の居酒屋では立食形式ではないため、移動しづらいです。1回の飲み会でも、せいぜい席移動が1・2回ではないでしょうか。
逆に欧米では立食形式が主流なため、”席移動”が簡単に行え、たくさんの人と交流できる。ここが重要かと思います。お酒が飲みたくて飲み会にいく・・・方もいるでしょうが(というか、それがメインなのかも・・・だったらノミニケーションではないですよね)、大切なのはコミュニケーションだと思います。


「GE 世界基準の仕事術」によると、GEでは、

組織の長は部下のことを”本当に”よく理解していなければならない。
どんな人材がいて、どんな評価をしているのか。どんな変化があり、組織としての課題は何で、どうするのか。どの人を今後伸ばそうと考えていて、どういった研修に選抜するのか、すべてを決める。

そうです。

隣の席の人が何をしているのかわからないでしょうか?
もしあなたの属する組織のコミュニケーションパスが、組織図に則っているのであれば、それは危険なサインです。

「組織の風通しを良く」しましょう。
組織図とコミュニケーションパスはイコールではありません。
縛られないように意識したいものです。